ど萌5
散らかった部屋の中にいることに慣れてしまった。大学入学を機に一人暮らしを始めて4年目になるが、部屋がきれいだったのは入学したばかりのころと、3年生で引越しした直後のただの2度だけである。今まさにブログを書くために使っている机にも、要らないレシートだの、書き終わっているメモだの、不在票だの。果てには、なぜここにあるのか見当もつかない漏斗が2つも机の上に転がっている。
捨てよう。
捨ててきた。
部屋の汚さというのは、実は記憶(メモリー)だと思う。6時半までレポートを書いたあと、そのまま友達と22時を過ぎるまでミラノ風ドリアをつつきながら他愛もない話をした日。その心地よい疲労が、机の上、クローゼットの中、ベッドの横に積もっているのではなかろうか。思い出のなんとも迷惑な副産物が、倍々のペースで増えていった結果、必要なものにすぐアクセスできなくなってしまっているのだ。ゴミはきちんと集めて、定期的に最適化を実行しようと思った。
おわり